アンプキットを使用して自作AMラジオをスピーカで鳴らすことができましたので、次はアウトプットトランスST-32を使用して鳴らしてみました。
オリジナルの回路は低周波増幅回路の出力に「クリスタルイアホン」を接続していますが、この出力にスピーカを直接つないでも音は鳴らないそうです。
これは、トランジスタの増幅回路の出力インピーダンスが数kΩであるのに対して、スピーカは8Ω程度のため、マッチングが取れないためだそうです。
そこで登場するのがアウトプットトランスで一次側のインピーダンスをトランスにより二次側のインピーダンスに変換してくれます。
おそらくはとてつもなくお馴染みだと思いますが、8Ωのスピーカを接続するにはST-32を使用します。
ST-32のインピーダンスは一次側が1.2kΩ、二次側が8Ωです。
ST-32
ST-32の価格ですが、なんと540円と、アンプキットが300円であることを考えると高価です。
ですが、今回は勉強のためにST-32を購入して回路を組んでみました。
低周波増幅回路にアウトプットトランスを接続する回路は、これまでのように「固定バイアス」回路ではダメなようです。再び色々な本やネットを調べてST-32を使用している例を見てみました。
回路構成としては「電流帰還形増幅回路」が良いようです。エミッタ抵抗やブリーダ抵抗の決め方はいくつかの考え方があるようですが、とりあえずネットにあった値を参考に下図のようにしていました。
エミッタに抵抗が入ることによって増幅率が下がりますが、これを補償するた、220uFのコンデンサが並列に接続されています。このコンデンサにより交流的にはインピーダンスが下がります・
ということで、AM自作ラジオの低周波出力上図の入力に接続し、電源を入れてバリコンを回してみたところ、無事に地元局がスピーカから聞こえてきました。
音量はアンプキットのときよりは少し小さい感じですが、まずます聴ける音量でした。
抵抗値の計算の方法はまた別の機会にアップしたいと思います。
現在ではトランスを使わずにトランジスタの2個使いでスピーカを直接駆動するOTL(出力トランスレス)方式が主流のようですので、今後はわざわざトランスを使うことはないかもしれませんが、ひとつの勉強として為になりました。